「会いたくなかった？押しかけてごめん」

「違うの、すっぴんだからあんまり見ないで欲しい」



煌くんに少しでも釣り合うように、自信が持てるように、最近は学校でもメイクしている。


私が通う高校はそこまで校則が厳しくない。


髪色は変えられないけどパーマはいいという謎ルールだし、メイクも服装も、よほど華美だったり原型がないほど着崩したりしない限りは、ある程度の自由が許されている。


特に目立ったところがなく、没個性の私はメイクしたところで特に注意されたことがないから許容範囲内なんだと思う。



「なんで？最近すっぴん見せてくれないから得した気分」



地味な自分を変えたくてメイクしてるのに、煌くんはそんな私すら肯定してくれる。


煌くんの言葉は傷ついてひび割れた心に染みて、私は泣きたい気持ちをぐっとこらえた。