全然気が付かなかった、未読無視してしまって申し訳ない。



「早く通してあげて。外暑いから」

「分かった、連れてくるからね」



お母さんは大慌てでバタバタ足音を響かせながら玄関に走った。


私は部屋にある鏡でささっと身なりを整えて、ベッドに腰を下ろして煌くんを待ち構えていた。



「ゆづ、心配で会いに来た。微熱があるって聞いたけど大丈夫?」



玄関のドアが開く音がして、しばらくすると煌くんが私の部屋に入ってきた。


本当に煌くんだ。部屋に入ってくるまで現実味がなかったけど、枕元にしゃがむ煌くんを見てやっと目が覚めた気分だ。


会いに来て嬉しい。でも、寝起きのすっぴんなんて見られたくなかった。


私は抱き枕にしていたぬいぐるみを抱いて、顔を半分隠した。