「色んなやつとの会話聞いてて、セフレとか居るんだろ?その割には、その反応過敏だよな。」


こいつガチで俺の事めっちゃ見てる……


「男に迫られんのは初めてだからな」


て事にしておこう。


恋愛経験なんぞはないからな。


「へえ、俺が初めてか」


にいっ、と無表情の皇の口元が片方だけ少し上がる。


ゾゾゾッと背中が凍る。


ダンッ


逃げ場を無くされる。

座っていて、壁の角。

片手は俺の腕を掴み、片手は壁に着いている。


俺は、焦っている。

こんな状況は初だし、何より、皇のこんな姿は初めて見る。


「皇、ガチで怒るぞ。お前が俺を好いてるのは別にいいが、これは流石に」


唇に温かく、柔らかい感触。

顔を逸らそうとすれば、顎を掴まれる。


「んん"!ん"ーーー!!!」


啄むように俺の唇にキスをし、舐める。


これは、口開けたら終わりだ。


脚を動かしたくても、皇が俺の両脚を挟むように脚で固定している。

まじなんなんだよこの状況!!!!

つか、息、鼻だけじゃキツ…


その一瞬を皇は見逃さない。


「はっ、ぁ…ふ」


ちゅ、くちゅ、

とキスの音が響く。


舌が生き物のように口の中を支配する。


息できない…意識、飛ぶ……