『かわいい』

そう呟いた先輩に思わず心が揺らぎそうになるが、あくまで私が好きなのは彼氏であって、先輩は純粋を演じる私の「観客」でしかない。

その後何度も先輩からBCのお誘いが来たが、テキトーに理由をつけて逃れている。

ABCを終えてしまえば、私はまた新たな「観客」を探さなければならないのだ。

私は一生、大人になんかなれない。