これから少しずつ、紫央くんに興味を持ってもらえるように頑張ろう。 「じゃあ俺帰るな! 初日で緊張しただろうし、家でゆっくり休めよ」 ぽんぽん、と私の頭を撫でると、 紫央くんは自転車のペダルを踏んで走り出した。 ……あ、もう見えない。 曲がり角を曲がって見えなくなってしまったけど、 紫央くんが走って行った方に向かって、小さく手を振った。