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「いらっしゃい！　ご注文は？」

「サンドイッチをふたつ。あと、パスタも」


　日が暮れて空が夜の色に染まりはじめた頃、炭鉱町のダイニングバーに外套を被った双子の姿があった。

　賑やかな店内には多くの客がいて、皆楽しそうだ。壁際の席に座ったふたりは、サンドイッチを頬張りながら辺りを見回す。


「……で。目的の場所に着いたわけだが、ここからどうする？　シルヴァン」

「とりあえず、父さんの言っていたトラブルがなんなのかを突き止めないと始まらないよ。情報収集から取り掛かろう」


　冷静に兄に返事をしたシルヴァンに、ヴォレンスも頷いた。

　動くために腹ごなしをしていたそのとき、ふたりのテーブルに人影が近づく。


「あら？　町では見ない顔ね。旅人さん？」

「フードをかぶっていてわからなかったけど、お兄さん達、結構若いのね？」


　話しかけてきたのは、二十代後半くらいに見える綺麗なふたり組の女性だ。シルヴァンは穏やかに笑う。