夜明さんは口元を緩めて、また私の肩を抱き寄せた。


「お前はただ笑って、俺に甘えてくれればいい」


夜明さん……。


「こんな状況、急に受け入れろって言われても難しいよね」


座っていた獅堂さんが、立ち上がって私の前に来てくれた。


私を見ながら、笑顔を浮かべてくれる。


「だけど、人の好意には甘えてもいいんだよ」


「…………」


「手を差し伸べてくれる人はみんな、鈴ちゃんの笑顔が見たいって思ってるから」


笑顔……。


そっか……。


「……すみ、ません……」


笑おうと思ったのに、込み上げてくる涙を堪えきれなかった。


皆さんが驚いて私のほうを見ていて、必死に涙を我慢する。


なのに、全然収まってくれなくて、むしろ勢いは増すばかりだった。