「入学してからです。妹がくれて……」


こいつ、何余計なこと言って……。


そう思った時、獅堂様と視線がぶつかった。


「そんなボロボロのペンケースをくれるなんて、優しい妹だね~……」


あたしに聞こえるくらいの声量。


誰がどう聞いても、嫌味にしか聞こえない。


鈴蘭の奴……あたしに恥かかせるなんて……!


あたしから鈴蘭に視線を戻した獅堂様。その後も、あたしの目の前で楽しそうに会話をしている姿は、見ていられなかった。


今にも暴言を吐いてしまいそうで。


「鈴ちゃん、夜明は嫉妬してるだけで怒ってないから、気にしなくていいよ」


「余計なことしか言わない男だな、お前は」


「はい、そろそろ戻りますよ」


司空様のひと言で、教室を出ていった5人。