すぐに視線を向けると、司空様、獅堂様、冷然様……そして黒闇神様に囲まれた、鈴蘭の姿があった。


目の前の光景に、目の前が真っ白になる。


なんでこいつが……ノワールの……いいや、魔族界でも随一のエリート集団の中にいるの……。


「鈴ちゃん、ロッカーの荷物は俺が持つよ」


まるでお姫様みたいに扱われている鈴蘭。


「荷物はこれで全部か?」


「はいっ……」


こいつ……あたしがさんざん言ったこと、わかってないわけ……?


あたし、あんたは引き立て役って言ったわよね?


何、楽しそうに笑ってんのよ……!


「鈴ちゃん、そのペンケース何?」


獅堂様は、ボロボロのペンケースを指差してそう言った。


あたしがあげた、お古の筆箱。


「いつから使ってるの?」