何はともあれ、黒闇神様に近づくチャンス。それに、いきなり黒闇神様に近づくのは難しいかもしれないから……まずは女好きな獅堂様あたりに取り入って、鈴蘭のことを相談して泣きつけばいい。


うん、それでいこう。


あたしは窓に姿を映して髪が乱れていないかチェックする。


「ただ……」


何か言いにくそうに口を開いたクラスメイト。


「双葉鈴蘭さんと、一緒にいるみたい……」


は……?


……また、鈴蘭……?


しかも、こいつ何さんづけしてんの?


いつもはみんな双葉姉とか、悪女だとか呼んでるくせに……。


「あ、鈴ちゃんの教室ここ?」


「は、はい……」


廊下から、陽気な男性の声が聞こえた。そのあとに、忌々しい声も。