こんなところでボロを出すわけにはいかない。


「せ、星蘭ちゃん、大丈夫だった……?」


ひとりの男子が話しかけてきたのをきっかけに、恐る恐る集まってくるあたしの取り巻きたち。


「何事もなかったみたいで、よかった……」


「なんだか、急な発表ばっかりでびっくりしたよね……あはは」


どいつもこいつも……どうして鈴蘭の名前を出さないんだろう。


いつものこいつらなら、鈴蘭の文句を吐き並べただろうに。


「さっきは……何も知らなかったから驚いて、みんなのこと戸惑わせてごめんね。このままじゃ黒闇神様がお姉ちゃんに騙されて、不幸になると思ったら、体が勝手に動いて……」


「……そ、そっか……」


何、その反応?


いつもみたいに、星蘭ちゃんはいい子だねって言いなさいよ。