たらたらと教室に戻ると、ほかのクラスメイトたちもちょうど大講堂から戻ってきた。


すぐに授業が始まったから誰とも話してないけど、確実に違和感はあった。


チラチラ視線を感じるし、居心地が悪すぎる。


鈴蘭……あいつ、戻ってこないわね……。


空いている前の席を見て、歯を食いしばる。


今頃黒闇神様といるんだと思うと、それだけでどうにかしてやりたくなった。


授業が終わって、異様なほどしん……と静まった教室。


みんな、まるで腫れ物に触るみたいにあたしのことを見ている。


それが鬱陶しくて舌を鳴らしたくなったけど、必死で我慢した。


あたしは、鈴蘭にいじめられているかわいそうな妹。


おとぎ話でいうなら、最後に幸せを掴むお姫様。