てっきり、いつも待ち合わせしていると思ってた。獅堂さんの気遣いが嬉しくて、もう一度頭を下げる。


「あ、ありがとうございます」


「お礼はいいって~」


みんなで登校なんて……すごい、私が思い描いていた理想の青春が、現実になったみたい。


「じゃあ、行こっか?」


こくりと深く頷いて、みんなで寮を出た。





「鈴ちゃんは今日から、雪兎と同じクラスだよ」


冷然さんと……?


ちらりと冷然さんのほうを見ると、不機嫌そうに眉をひそめていた。


確か、女嫌いって言ってたはず……。


「雪兎、ちゃんと鈴ちゃんのこと守ってあげてね」


「ふん」


鼻を鳴らして、そっぽを向いてしまった冷然さん。


冷然さんはやっぱり……私のことは、よく思っていないだろうな……。