よく見ると、何か言いたげな顔で夜明さんが獅堂さんのことを睨んでいた。


「お前は人の女を口説くな」


私の肩を抱き寄せて、そう言った夜明さん。


「何言ってるの、褒めるのは挨拶だよね? 夜明もちゃんと言ってあげなきゃ」


「俺は思ったことはちゃんと言葉にしている。それに、鈴蘭が可愛いのはいつものことだ」


恥ずかしげもなく発言した夜明さんに、私のほうが恥ずかしくなった。


「夜明は口下手なタイプだと思ってたけど、どストレートなタイプだったとは……」


獅堂さんだけではなく、司空さんも冷然さんも驚いていた。


「鈴蘭に対してだけだ。というか、お前たちはどうしてここにいる」


「待ってたんだよ。鈴ちゃんの記念すべき初登校日だから、みんなで行こうと思って」


え……?