夜明さんが……。


恐れるものなんて、この世になさそうな人だと勝手に思ってた。そんな人が、不安になるほど自分のことを考えてくれていたなんて。


「起こしてきますね」


笑顔を残して、リビングを出ていった司空さん。


私はひとり、熱くなった頬に手を添える。


どうして……こんなに恥ずかしいんだろう。


夜明さんが想ってくれていることを痛感するたび、嬉しさとくすぐったい気持ちでいっぱいになる。


この感情をうまく言葉にすることはできないけど……夜明さんの愛を確認するたび、私はいてもいいんだと、言ってもらえている気がした。


リビングの扉が開いて、ルームウェア姿の夜明さんが入ってきた。


寝起きなのか、眠たそうに目を瞬かせている。


「夜明さん、おはようございます」