「澤本悠哉です。一年間よろしく」
次の日、真由達のクラスに来た転校生は爽やかな転校生という感じで、早くもクラスのあちこちから女子の興奮したささやきが聞こえてきた。
「澤本は、高野の隣の席な」
澤本君がキョロキョロと周りを見回していたので、真由は軽く手を挙げて場所を教えた。
「ありがとう、高野さん。よろしく」
「うん。よろしく。澤本君」
「悠哉でいいよ。真由って呼んでいい?」
「まあ、いいけど」
調子の良さに驚きつつ、断る理由もないので了承した。