「そもそも魔力持ちと魔力なしの違いって何か知ってるの?」
そう問われて未来は首をかしげた。
「生まれながらにして魔力を持っているかそうじゃないかでしょう?」
「そういわれているけれど。じゃあ、どうして同じ世界に生まれてそんな優劣があるの?」
「それは親の魔力量によって極稀に生じる魔力障害によるものでしょう?」
「じゃあ、兄弟や姉妹で魔力の優劣は?」
「片方に魔力の素質が偏ったから。」
「素質は誰が決めるの?」
「それは……って何なの?この質問は。」
「今言ったものを解析・分析するのが科学ってこと。そもそも魔力って生まれながらに持ってる人なんていないわ。」
何を言っているのだろう。魔力は生まれつき持っている。そう聞いてきたのだ。
「魔力持ちっていうのは生まれてから1年以内に能力を発現させることができた人のことを言うの。だから『生まれながらに』とは言わないの。生まれた瞬間に能力の発現を起こすこともあるからそういわれるようになったんじゃないのかな。」
「でもどうして正しい風に伝わらなかったの?周りの人が見ているんじゃないの?」
「子供っていくつくらいの子から見てる?」
「えっ?」
「貴方たち、いくつから外に出た?」
「えーと、3つだったかしら。」
「未来、普通の子は5歳ぐらいに外に出してもらえるよ。早い子だと4歳になる齢かな。」
そう慎に言われてそうなの?と尋ねるとみんなため息をついた。
「未来、3つでは出してもらえないわよ。」
「でも私、3歳になる齢に国王陛下夫妻に呼ばれたわ。だから出てしまったけれど。」
「国王陛下夫妻?確か未来の両親でしょう?それならー」
「そういうことにはなってるけど、私の両親別にいたから。」
何でもないようにさらっというとみんな絶句した。
一応、私の両親は死んだことにはなってるが国王陛下夫妻の実子であり唯一の姫。つまるところ王女であると言われてきた。
そのため、命を狙われたり誘拐されかけたり―。
そんな私の実の両親は別にいると言われたら―
(普通に驚くだろうね。)
「じゃあ未来の両親って⁉」
「世界最強の魔女と呼ばれた『ルージュ』と世界最強の魔術師と呼ばれた『オシリス』だよ。ただ、私を生んで母はすぐに死んだらしいけどね。父はそんな母を生き返らせるために魔術の研究をしてたことが原因で過労死だしね。」
だからよく知らないのよねというとみんな絶句していた。
「だから3つになる前の記憶ってあやふやなのよね。国王陛下夫妻にあってからの記憶はしっかり覚えているのに…。」
「じゃあ、俺らが出会ったのって……。」
「5つになる齢だったから2年後ね。」