side魔王様(義數)
……マジで、見せたくなかったのに。
なんで、楓は、いやだとか言うんだよ。俺に従ってればいいんだけど…さ?
はぁっーーー。……というか!
なんで、こんなに来てんだよ!!!?
女のファンが!!!!!?
現在、俺は廊下を全速力で走っている。
怜も同じように俺の横で、全速力で走っている。
だけど、怜は綺麗なフォームで俺の横に走っている。
なんで、こんなに、爽快な顔で走ってんだよ……あいつ。
俺と同じの運動神経が良いから、かな?
まぁ良い。
早く退散しないと……!!!
止まると……!!
「写真撮ってくださーい!!!」
「サインをーーー!!」
「王政様ぁ〜〜〜!!大好きでーす!!」
とか、俺を中心に、ドドドッと言う、漫画みたいに、音出して向かってくるから。
予想ついてるし。
………というか、怜目当てもいそうだけど?
もう。……これが、楓だったら、良いのになー……?
楓?
テイクアウトを楓にしたかったのに……お前なぁ〜?
やべっ。お前っつちまった。
楓って言いたいのに……。
前と話した癖が残ってる。
まぁ良い。
今日は楽しかったし。
……明日も行くか。
楓、待ってろよ。
ぜってぇー俺のものにしてやるから。
今日はお暇だ。
俺は全速力で女のファンたちに逃げ切り、無事車に乗って、怜と脱出していた。