「そんなのもう分かりきってることじゃん」

「なんでそんななんだよ?誰にも本当の自分見せないで、第三者的立場から物事を捉えて自分は大人だ、偉いとか思ってんの?」

「思ってない」

「じゃあ、なんでそんな頑ななんだよ?」

「...あたしはあたしだから」


これ以上踏み込んでもいいことなんて、ない。

これ以上踏み込まれたら、きっと苦しめる。

あたしは誰も苦しめたくない。

楽しいとか嬉しいを共有することに価値があったとしても、悲しいとか寂しいとかを共有することになんの価値もない。

共有した者同士を傷つけるだけ。

プラスにならない。

ゼロにも戻らない。

マイナスになるだけ、なんだ。

それなのに、そんなリスキーなこと、あたしには出来ない。

したくない。

あたしは皆を傷つけたくない。


あぁ...こうなるから、嫌だったんだよ。

あたしにとって大切な日にこんな苦しい思いをするくらいなら、

誰かに怒りや苦しみのような本来持っていても胸が痛いだけの感情を持たせてしまうくらいなら、

いっそ、

来なければ良かった。

1人で...

いれば良かった。