「な~ちゃ~ん!そっち終わった~?」
「もう少し」
「りょうか~い!」
ジリジリと容赦なく日差しが照りつける。
学校とバイト以外は家に引きこもりで、まるで雪女みたいな白い素肌は、ものの数時間ですっかり赤くなってしまった。
焼けた肌は冷たいタオルを当ててすぐに冷却しないと、今夜お風呂に入る時にジンジンと鈍い痛みが走るだろう。
汚れを取ることより自分の肌の心配ばかりしていると、シャーッという音と共に、ペタペタと裸足が水を称えた床を蹴る音が聞こえてきた。
危険を察知し、勢い良く振り返ると案の定そこにいたのは、彼女だった。
「な~ちゃんに放水攻撃っ!」
変に歪めたホースの口から放たれたのは、わりと威力のある水ビームだった。
生憎あたしは水浴びは趣味ではないから、さらりと避けてあげた。
すると、彼女は頬をパンパンに膨らませ、こちらをジロリと睨み付けてきた。
「何で避けるのっ?!もぉ!日葵(ひまり)怒っちゃったんだからっ!」
そう大声で叫ぶとホースをぶんぶん振り回し、逃げ回るあたしを追いかけてきた。
もうこうなったらプールサイドに上がって裸足のまま校庭に逃げるしかない。
あたしはできる限りの全力疾走をして第1レーン脇の鉄のはしごに手をかける。
これを上り切れば逃げられる。
そう、思ったのだけれど...
「わっ!」
情けない声が出た。
梯子を目の前にしてつるんっと滑ってしまったのだ。
きっと彼女はしめしめと笑っているだろう。
またやられたな...。
負けを認めて顔を上げる。
あっ...。
そこに在ったのは、
思いがけない顔だった。
「もう少し」
「りょうか~い!」
ジリジリと容赦なく日差しが照りつける。
学校とバイト以外は家に引きこもりで、まるで雪女みたいな白い素肌は、ものの数時間ですっかり赤くなってしまった。
焼けた肌は冷たいタオルを当ててすぐに冷却しないと、今夜お風呂に入る時にジンジンと鈍い痛みが走るだろう。
汚れを取ることより自分の肌の心配ばかりしていると、シャーッという音と共に、ペタペタと裸足が水を称えた床を蹴る音が聞こえてきた。
危険を察知し、勢い良く振り返ると案の定そこにいたのは、彼女だった。
「な~ちゃんに放水攻撃っ!」
変に歪めたホースの口から放たれたのは、わりと威力のある水ビームだった。
生憎あたしは水浴びは趣味ではないから、さらりと避けてあげた。
すると、彼女は頬をパンパンに膨らませ、こちらをジロリと睨み付けてきた。
「何で避けるのっ?!もぉ!日葵(ひまり)怒っちゃったんだからっ!」
そう大声で叫ぶとホースをぶんぶん振り回し、逃げ回るあたしを追いかけてきた。
もうこうなったらプールサイドに上がって裸足のまま校庭に逃げるしかない。
あたしはできる限りの全力疾走をして第1レーン脇の鉄のはしごに手をかける。
これを上り切れば逃げられる。
そう、思ったのだけれど...
「わっ!」
情けない声が出た。
梯子を目の前にしてつるんっと滑ってしまったのだ。
きっと彼女はしめしめと笑っているだろう。
またやられたな...。
負けを認めて顔を上げる。
あっ...。
そこに在ったのは、
思いがけない顔だった。