そんな彼を救ったのは...あたし。
両手に花の彼だから、クラス以外で良い相手を見つけるかと思ったのだけど、そんなことはさらっさらなかった。
彼はいつまでも失恋を引きずっていたから、ジューンブライドで世の中が浮かれている頃、見かねたあたしが声をかけたのだ。
甘いもの好きの彼をスイーツ食べ放題の店に連れていき、好きなだけ食べさせてその後で話を聞いた。
傷心中の彼の心に毒を盛るような発言をしたりもしたけれど、彼はちゃんと受け止めてくれた。
そして、あたしの話も聞いてくれた。
お互いに失恋した者同士であり、そこから恋が芽生える展開もなくはなかったのだろうけれど、あたし達に限ってはなかった。
そもそも鶴乃ちゃんが好きだった人があたしみたいな野暮に乗り替えるはずもない。
微塵もない。
だからこそ安心してお互いの心をまるごとさらけ出せたのだと思う。
そんな彼との関係性を疑ってあたしにガンを飛ばしてくる人もいないことはなかったけど、彼が女子達から話しかけられる度に"凪夏ちゃんは100パーないから"と、普通に言われたら傷付くことをへらへらと話すものだから、あたしはその度に哀しみよりも先に怒りが湧いてくる。
そんなこんななあたし達だけど、良い関係が築けているのは確か。
残りわずかの高校生活も文化祭もなんとか乗り切れそう。
そう、思っていた。
両手に花の彼だから、クラス以外で良い相手を見つけるかと思ったのだけど、そんなことはさらっさらなかった。
彼はいつまでも失恋を引きずっていたから、ジューンブライドで世の中が浮かれている頃、見かねたあたしが声をかけたのだ。
甘いもの好きの彼をスイーツ食べ放題の店に連れていき、好きなだけ食べさせてその後で話を聞いた。
傷心中の彼の心に毒を盛るような発言をしたりもしたけれど、彼はちゃんと受け止めてくれた。
そして、あたしの話も聞いてくれた。
お互いに失恋した者同士であり、そこから恋が芽生える展開もなくはなかったのだろうけれど、あたし達に限ってはなかった。
そもそも鶴乃ちゃんが好きだった人があたしみたいな野暮に乗り替えるはずもない。
微塵もない。
だからこそ安心してお互いの心をまるごとさらけ出せたのだと思う。
そんな彼との関係性を疑ってあたしにガンを飛ばしてくる人もいないことはなかったけど、彼が女子達から話しかけられる度に"凪夏ちゃんは100パーないから"と、普通に言われたら傷付くことをへらへらと話すものだから、あたしはその度に哀しみよりも先に怒りが湧いてくる。
そんなこんななあたし達だけど、良い関係が築けているのは確か。
残りわずかの高校生活も文化祭もなんとか乗り切れそう。
そう、思っていた。