夏のセーラー服をクリーニングに出し、名残惜しくタンスの引き出しにしまい、代わりに冬服を出した。
これを着て入学をし、これを着て卒業する。
そう...卒業するんだ。
卒業まであと5ヶ月を切った頃、遂に高校生活最後の行事に向けた準備が始まった。
ホームルームの時間、教壇の中央に立つのは、凛として前より何倍も大人びた鶴乃ちゃんだ。
あたしはそんな彼女の透明感があって聖母のような優しい声が好きで、あたしにしては真面目に話を聴いていた。
「では、クラスの出し物はカフェに決定です」
クラス中が拍手に包まれ、あたしも従う。
「凪夏ちゃんは相変わらずやる気無さそうだね」
「いや、今日はある方」
「ふふ。そうなんだ」
あたしの席の隣は王子様だ。
転校してきてから早1年。
今でも彼はクラスの王子様であり、"まーくん王子"改め"真昼王子"と呼ばれている。
そんな彼だが、実は鶴乃ちゃん一筋だったのに朝登くんに捕られてしまったものだから、修学旅行から1ヶ月間くらいは食事も喉を通らない生活を送っていた。
これを着て入学をし、これを着て卒業する。
そう...卒業するんだ。
卒業まであと5ヶ月を切った頃、遂に高校生活最後の行事に向けた準備が始まった。
ホームルームの時間、教壇の中央に立つのは、凛として前より何倍も大人びた鶴乃ちゃんだ。
あたしはそんな彼女の透明感があって聖母のような優しい声が好きで、あたしにしては真面目に話を聴いていた。
「では、クラスの出し物はカフェに決定です」
クラス中が拍手に包まれ、あたしも従う。
「凪夏ちゃんは相変わらずやる気無さそうだね」
「いや、今日はある方」
「ふふ。そうなんだ」
あたしの席の隣は王子様だ。
転校してきてから早1年。
今でも彼はクラスの王子様であり、"まーくん王子"改め"真昼王子"と呼ばれている。
そんな彼だが、実は鶴乃ちゃん一筋だったのに朝登くんに捕られてしまったものだから、修学旅行から1ヶ月間くらいは食事も喉を通らない生活を送っていた。