「使いたい椅子や家具に付箋を貼っておいた。書斎用は黄色の付箋。水色の付箋はリビングの参考にしてもらえればいい。どうしてもこれがいいというわけはないし。これでお願いできるかな」

 早速、黄色の付箋がついているページを開いてみると、座り心地の良さそうなリクライニングソファーが掲載されている。しかも淡い木目調の部屋に合いそうなものばかり。

 いい加減に答えていたわけじゃなかったらしい。

「了解しました。では失礼します」

「はい。よろしく」

 そして朝井様は電話に戻る。

 忍足で部屋を出るときに「これからすぐ行く」と声が聞こえた。

 病院からだろう。

 落ち着いて家の見学に行く余裕はないのかもしれない。

 朝井様はとてつもなく忙しいようだ。



 その足で今度は、不動産屋に紹介してもらった人気のインテリアコーディネーターに会いに行った。

 忙しい方だから断られるかもしれないという話だったけれど、会って納得した。

 モデルのように美しい女性だ。