やっはりそうきたか。

 がっくりと肩を落とすと、朝井様がクスッと笑う。

「言っただろ君に任せるって」

「ですが、私はプロでもありませんし、センスがいいわけでもないですし」

「自信持って。これまで君が出した結論は概ね気に入っているから大丈夫」

 概ねですか。まあいいですけども。

「ではこのイメージで、インテリアコーディネーターと相談しながら進めたいと思います。ちなみに朝井様のお住まいだったお部屋の写真などはございますか?」

「ない」

 即答?

 すでにこの話に興味がないらしく、彼は読みかけの雑誌を手に取った。

「そうですか。参考にしたかったのですが」

 と、そこで朝井様のスマートホンが音を立てた。

「ちょっとごめん」

「はい」

 電話口で朝井様は「バイタルは?」と問いかけ時折うなずく。

「ちょっと気になるな」

 と、そこでスマホを耳から外し、私に雑誌を差し出した。