「こっちはモノトーン。そして、こちらは木目調ですが、明るいか、高級感重視しか。この辺りでどうかと思うのですがいかがでしょう? もしくは個性的でファッショナブルな感じとか」

「最後の〝ファッショナブル〟はないな」

 ですよね。わかります。一応言ってみただけですし。

 うんうんとうなずいていると、朝井様はタブレットから視線を外し、私を振り向いた。

「君なら、この中でどの部屋がいい?」

「えっと……。どれも素敵だと思います。はい」

 その手には乗らない。迂闊に答えるとそれでいいと言われるに決まっている。

 朝井様が見えなくなるくらい目を細めてにっこりと微笑んでみたが、彼には通用しない。

「それで、どれ?」

 早く答えろとばかりに微笑み返してくる。

 ああ、もうなるようになれと正直に答えた。

「あくまでも私ならですが、こちらとか」

 ナチュラルテイストな淡い色の木目調。重厚な感じもいいけれど、家にいるときは明るい気持ちでいたいから。

「じゃあ、それで」