魔王様は無言で、パウンドケーキを食べすすめている。どうやら気に入ってくれたらしい。ほっとする――のもつかの間だった。


律さんがなんてこともないように、さらりと言う。


「壊したピアスの代償として、この無月の屋敷に同居してほしいんですわ。――魔王様完全無欠に見えるでしょうけど、花きらいなんで」


「おい」


魔王様の反応はや!!


しかし律さんはそれを無視。別に気にも止めてないって感じである。