門の中はさらに奇想天外で、まるで植物園のようだ。見渡す限り、緑緑緑――つまり緑しかない。途中壺を持った女神像の噴水があったり、トーテムポールがあったり。


一体ここはどこなのか。


誰の趣味なのか。


植物園を通り過ぎ、外国にある城を彷彿させる建物の中へ入っていく。

長い螺旋階段をのぼり終えた先には、駄々広い大理石の廊下が広がっていて、絵画や観葉植物が置いてある。


た、高そう……。



そんな心の声が聞こえたのか、ちらりと振り返り一言。


「世間で幻と呼ばれてる作品ばかりなんですけど、よければ買います?」

「買いません」


そうこうしてるうちに、一番奥にある分厚い扉の前で立ち止まる。繊細な細工が施されたそれはセンサーでもあるのか、自動的に開いた。