終始おじさんと無月の屋敷の雑談で花が咲いた。やっと目的地に着き、解放されたと思ったのもつかの間で、目の前にはバカでかい門がそびえ立っていた。


正直、信じられない。


「ナニコレ…………本当に門? 本当にこんなの日本にあるの?!」



数分後――ここへ来るよう指示した張本人が出てきた。相変わらず、へらへらした顔で。


「いやぁ、本当に来てくれてびっくりっすわ。まあ、そうじゃなきゃ困るんですけど」

「はい?」

「いえいえ。こちらの話ですし。荷物持ちますわ、こう見えて紳士なんで」


返事を待たずに、手に持っていたお土産等を奪われる。


「もう……〜」


自らを紳士と言うわりに歩幅を合わせてくれないし、先へ先へ行ってしまう。

いまいち釈然としないまま、その背を追いかける。