「きゅうちゃん…おれ、もうがまんできない。」


反省してあまり触っていなかったのが原因なのか、俺は彼からの初オネダリを経験していた。

二人だけの家。俺の部屋。上気した彼。

これはおさえ…れ…る、わけがない!


「…ほんとにお前は。」


首元に回されている彼の腕から腰迄の身体を堪能する。


「…ッ」


それだけで体を震わせる彼は、本当に淫乱になってしまったかのようだ。

腰をくねらせ快感を逃がそうとしているのを制す。

すると制した俺の足がいい所に当たったのか、それだけで声を洩らした。

彼の敏感になった身体は、既に熱く火照っていた。

どこを触っても声を出すその姿は、俺を熱くさせるのに充分だった。


「なぁ…どうして欲しい?」


彼の目を見てそういうと、恥ずかしそうに顔を逸らした。

ああ言った後でこんな反応をされると、少し意地悪をしたくなる。

ごめんな。

でも、こんな愛らしい事をされたのでは抑えが効かないのは周知の事実だろ?

俺は少し彼から離れた。

すると彼は今にも泣き出しそうな顔になる。

罪悪感と高揚感が葛藤しながらその姿を見続ける。

彼は意を決したように伏していた目をこちらに向ける。


「…きゅうちゃん、おれに…いっぱいそそいで…。」


プツン

そう頭に響いた気がした。

俺はすぐさまベッドに彼を抱き置き、彼を見下ろす体勢になった。

彼は朦朧としているのか、俺に熱した身体を擦り付ける。

いつもならありえない状況に俺の身体も反応したのか、ただ重なっているだけでも気持ち良い。


「きゅうちゃんッ、してッ、してッ…。」


「……バカ。」


この先は本能のままに動いた。

二人共がバカになった。

バカみたいに愛し合った。

バカみたいに笑いあった。

バカみたいに、ずっと一緒にいた。