より一層密着することになって、シュエットは居た堪れずに顔を俯ける。

「へぇぇ。オレがシュエットに触ると、あんたはどういう気分になるわけ?」

 掴まれ、放り出された腕をヒラヒラとさせながら、カナールは煽るように言葉を放つ。

 普段は人懐っこいカナールが、エリオットにはどうして好戦的になっているのかわからない。

 シュエットは「これ以上エリオットを刺激しないで」と視線で訴えた。

 カナールは何をしたいのだろう。

 シュエットの視線に、カナールはちらりと一瞬だけ彼女を見た。

 だがすぐに、エリオットに視線を戻してしまう。

「僕はシュエットを……いや、言いたくない」

「あー……うん……なんとなく、わかったから言わなくて良い。綺麗な顔して、おっかないこと考えてるんだな、あんた」