そんな彼女の手には頑丈な革製の手袋が嵌められていて、まんまるモフモフな鳥が一羽、眠そうな顔で掴まっている。

 彼の名前は、ラパス。シュエットの大切な家族であり、店の看板鳥である。

 一階へ到着したシュエットは、店舗のドアを解錠した。

 ドアのすぐ横にある止まり木にラパスをとまらせ、ドアのカーテンを開ける。明るい日の光が窓から差し込んで、店内を照らした。

「おはよう、みんな。今日は、あなたたちの大切な家族を、見つけられると良いのだけれど……」

 ずらりと並んだフクロウたちが、眠そうな顔で「ホゥ」とシュゼットへあいさつしてくる。「おはよう」とも「そうだね」とも取れる鳴き声だ。