学校を卒業したシュエットに任されたのは、縮小して随分と小さくなったフクロウ専門店だった。

 王都の東、ペルッシュ横丁にある、ミリーレデルのフクロウ百貨店。それが、シュエットの仕事場である。

 ペルッシュ横丁には、色鉛筆のような愛らしい建物が立ち並んでいる。

 赤、青、黄色、緑にオレンジ。一軒だって、同じ色は存在しない。

 なんでも昔、この横丁は薄暗く、どれがどの店なのか見分けがつかなかったのだとか。

 目的の店にすんなり行くことが出来ない人が多く、見分けるために塗ったらしい。

 まるで絵本の世界のような風景に、観光客も訪れるほどだ。

 あいにく、ミリーレデルのフクロウ百貨店には入って来やしないのだけれど。