「絵里、メガネじゃないんだ。コンタクト成功だね!」
早速、優樹菜に見つかって叫ばれる。金曜日にこれから買いに行くんだって話していたから、待ち構えていたみたい。声の大きい彼女に反応して、本当だって声があちこちから聞こえ、数人に囲まれた。
「変じゃない?」
「全然! 可愛いよ」
「うん。絵里こんな顔していたんだ。なんか新鮮」
そんな感想に、ひゃあって変な声を上げてしまう。自分だって見慣れていない自分の顔、見られているって意識してしまうと、のぼせてしまう。ホームルームのチャイムが鳴ったのを良いことに、私は逃げるように自分の席に着いた。
「あっれ? 小川、今日はメガネ無し?」
一時限目が終わった休み時間、急に振り向いた森が前の席から話し掛けてきた。
「コンタクト。に、したの」
短く返事して、視線を逸らす。家の中で着けていた時とは違う学校の中、調子がどうなるかちょっと心配だったけれど、今のところ痛みや違和感はない。でも居心地の悪さを感じていた。
メガネの枠が見えない視野の広さってとても開放的だけれど、自分が素顔を晒しているって思うと、妙に恥ずかしい。みんなに見られているみたいに思えて、でもそれは只の自意識過剰なんだって分かっていて、でもやっぱり落ち着き無くって、ってぐるぐるしている。いつもは席の前後、普通に話しているクラスメイトの森だけれど、今日は話し掛けられただけでなんだかびくっとしてしまっていた。
「コンタクトか。へー」
そう言って、森が私の顔をじっと見つめる。
「ちょっとそんなに見ないでよ」
「いいじゃん。減るもんじゃないし」
「私の顔は減るの」
反射的にむくれて言い返す。何とかコツは掴んだものの、まだ慣れていないから押さえる指に力が入ってしまう。それに加えての練習で、私のまぶたは腫れていた。脱メガネで勢い込んでマスカラとか買ったけど、そんな状態でお化粧なんか出来るわけも無く、すっぴんのメガネ無し。コンタクトデビューってCMだと女の子が可愛く変身しているけれど、現実はこんなもんだ。
それなのに、森は私に向かって楽しそうに笑った。
早速、優樹菜に見つかって叫ばれる。金曜日にこれから買いに行くんだって話していたから、待ち構えていたみたい。声の大きい彼女に反応して、本当だって声があちこちから聞こえ、数人に囲まれた。
「変じゃない?」
「全然! 可愛いよ」
「うん。絵里こんな顔していたんだ。なんか新鮮」
そんな感想に、ひゃあって変な声を上げてしまう。自分だって見慣れていない自分の顔、見られているって意識してしまうと、のぼせてしまう。ホームルームのチャイムが鳴ったのを良いことに、私は逃げるように自分の席に着いた。
「あっれ? 小川、今日はメガネ無し?」
一時限目が終わった休み時間、急に振り向いた森が前の席から話し掛けてきた。
「コンタクト。に、したの」
短く返事して、視線を逸らす。家の中で着けていた時とは違う学校の中、調子がどうなるかちょっと心配だったけれど、今のところ痛みや違和感はない。でも居心地の悪さを感じていた。
メガネの枠が見えない視野の広さってとても開放的だけれど、自分が素顔を晒しているって思うと、妙に恥ずかしい。みんなに見られているみたいに思えて、でもそれは只の自意識過剰なんだって分かっていて、でもやっぱり落ち着き無くって、ってぐるぐるしている。いつもは席の前後、普通に話しているクラスメイトの森だけれど、今日は話し掛けられただけでなんだかびくっとしてしまっていた。
「コンタクトか。へー」
そう言って、森が私の顔をじっと見つめる。
「ちょっとそんなに見ないでよ」
「いいじゃん。減るもんじゃないし」
「私の顔は減るの」
反射的にむくれて言い返す。何とかコツは掴んだものの、まだ慣れていないから押さえる指に力が入ってしまう。それに加えての練習で、私のまぶたは腫れていた。脱メガネで勢い込んでマスカラとか買ったけど、そんな状態でお化粧なんか出来るわけも無く、すっぴんのメガネ無し。コンタクトデビューってCMだと女の子が可愛く変身しているけれど、現実はこんなもんだ。
それなのに、森は私に向かって楽しそうに笑った。