……ほんとは、ちょっぴり怖かったし、嫌だった。
名前も知らない子から、いきなり攻撃的な態度をとられて。
三澄くんが頑張って練習してることも知らないで、勝手に結論づけられて。
これから、ここにくるまでに誰かに見られないようにもっと気をつけないとな、って思ったりして。
……最悪の場合、もうここにはこれなくなっちゃうかもしれない、なんて、思ったりした。
それに……。
三澄くんが、ものすごい人気ものだってことも、改めて思い出しちゃった。
優しく頭に触れる、三澄くんの手のひらの感触。
こちらを伺うような、三澄くんの温かな眼差し。
浮き足立っていく、わたしの、こころ、——。
……だめだ……。
なんか、このままだと、……だめ、な気がする。