「これから、俺も気をつける」
「……」
「だから、もしなにかあったら、すぐに俺に言うよーに」
すう——、と、体から力が抜けていく心地が、した。
「……わかった?」
強がっていたこころが、しゅわしゅわと泡になって。
ふわふわ、浮かぶ。
無意識のうちに、自分の心さえ誤魔化そうとしていた気力を、すべて奪われる。
わたしは素直に、コクリと頷いた。
「……あり、がと」
「ん」
なんだかよくわからない感情で、胸がいっぱいいっぱいになって、泣きそうになる。
……さすが、美術部エース。
三澄くんの観察眼って、やっぱりすごい。