「そうだったんだあ」

「……なんで可奈が残念そうなんだよ。相変わらず、恋バナ好きな」

「そんなこと言って。綾人だって、気になってたくせに」

「いや、俺は、別に」


わたし、上手に笑えてるかな。
ふたりの前で、……いつも通りのわたしで、いられてる?


渦巻く不安を抑え込み、取り繕うのに必死で。
立っているのもやっとなくらいだ。

指先が、ピリピリと痺れる。

頭がふわふわ、真っ白になる。