「なんだあ……そっかあ」
困ったように、眉をハの字にして、可奈ちゃんは笑った。
「だから最近、みくるはわたしたちにちょっとだけよそよそしかったんだね。気を使ってくれてたんだ」
「黙ってて、ごめんね」
「謝らないでよ。むしろ、謝るのはわたしのほう」
「どして? 可奈ちゃんが謝る必要なんて——」
「あるよ」
可奈ちゃんは、少しだけ寂しそうに目を伏せる。
長い睫毛が、きれいな肌に影を落とした。
「だって、わたし、フラれてるもん」
——え?
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…