「なんだあ……そっかあ」


困ったように、眉をハの字にして、可奈ちゃんは笑った。


「だから最近、みくるはわたしたちにちょっとだけよそよそしかったんだね。気を使ってくれてたんだ」

「黙ってて、ごめんね」

「謝らないでよ。むしろ、謝るのはわたしのほう」

「どして? 可奈ちゃんが謝る必要なんて——」

「あるよ」


可奈ちゃんは、少しだけ寂しそうに目を伏せる。

長い睫毛が、きれいな肌に影を落とした。


「だって、わたし、フラれてるもん」


——え?