―――菜月との距離も縮まり、毎日が楽しくて、心踊る毎日。



菜月に呼ばれて、久々に家に遊びに来た。



―――が、なんでコイツが??



「や、矢野セン?」



「杉原 啓太、こんばんは」



「大原先生?」



「こんばんは、杉原君。実は菜月と親戚関係だったりして?」



「えぇーっ!?」



つまりは、大原先生と菜月は親戚で、その婚約者の矢野セン。



噂は本当だったらしく、今日は結婚の挨拶に来たらしい。



……けど、菜月の親戚の兄ちゃん、姉ちゃんとチビの頃、遊んだ時はあったけど…



大原みたいな美人になりそうな子は居たかな?



俺が菜月一筋だったから、気付かなかっただけ?



ぐるぐると回想が頭の中を駆け巡り…



ついに思い出した!!



「分かった!!気付かなかったけど、りっちゃん!!眼鏡っ子のりっ…」



ゴツンッ。



「それ以上、言うな!!」



大原いや、りっちゃんにグーで殴られた。



チビの頃に遊んだ、眼鏡をかけた絵を描くのが大好きな、りっちゃんだった。



よくよく見ると面影あるな、全然、気付かなかった。