バスを降りて電車に乗っても、手は繋いだまま、気持ちを伝える踏ん切りはつかなくて…



心は動き出そうとしなかった。



「…はぁっ」



家までの人通りが少ない道のりで、菜月がため息をついた。



「…啓太って本当なんなの!?」



はぁ?



「何だよ、急に怒り出して…」



「何だよじゃないよっ!!ハッキリしないんだからっ!!私はね…」









菜月の熱っぽい両手が頬に触れた。








「啓太とだけだよ、手を繋ぎたいのも、キスしたいのもっ!!」








菜月の両手は頬に触れたまま、キスをしてきた。






「なっ…つき」







「……啓太の馬鹿っ!!」