しばらく質問は続いて、授業が終わる時間に近付いていた。



「もう戻らないと、授業が終わっちゃうので…」



ケリを着けようと立ち上がった瞬間、ウエストを掴まれた。



「なっ…!!」



「筋肉はもう少しつけろ。いざという時に苦労するぞ?」



ジャージをめくり、腹も見られた。



「ヤダッて、矢野セン!!」



何もされないとは思うが、嫌な空気が漂っている。



授業終わりのチャイムが鳴っているのも気付かず、矢野センは運動しろだの、あーだこーだとジャージをめくりあげたまま話している。



俺がジャージを引っ張ろうとした時、ガラッとドアが開いた。



「矢野セン、来たよーっ♪…て、あれ…」



入って来たのは菜月だった。



菜月は硬直している。



「な、つき、違っ…」



バシンッ!!



思いきり、ドアを閉めて菜月は去って行った。