「そう…。わざわざありがとう。でもごめんなさい。主人は今、その部活に行ってるのよ。」
「何時くらいに戻りますか。」
「部活が終わったら今日はそのまま帰るって言ってたしお昼過ぎだと思いますけど。いいですよ。渡しておきますから。ありがとう。」
スッと私に差し出された手。
早く帰れって言いたげな表情。
何もかも思い通りにやってくれるもんだから、上がる口角を誤魔化すのに苦労しました。
「いえ。借りた物は自分で返したいんですよ。礼儀なので。あー、どうしようかな。」
独り言みたいに言った私を見つめながら、奥さんは差し出したままだった手を気まずそうに引っ込めました。
こんなこと、普通突っぱねればいいじゃないですか?
アポ無しで突然担任教師の家にやって来る生徒なんて怪し過ぎますよ。
でも奥さんはそうしませんでした。
性格なのか。
いや、奥さんの感情にも火をつけたのかもしれません。
妻は私だって。
部外者は引っ込んでろって。
「何時くらいに戻りますか。」
「部活が終わったら今日はそのまま帰るって言ってたしお昼過ぎだと思いますけど。いいですよ。渡しておきますから。ありがとう。」
スッと私に差し出された手。
早く帰れって言いたげな表情。
何もかも思い通りにやってくれるもんだから、上がる口角を誤魔化すのに苦労しました。
「いえ。借りた物は自分で返したいんですよ。礼儀なので。あー、どうしようかな。」
独り言みたいに言った私を見つめながら、奥さんは差し出したままだった手を気まずそうに引っ込めました。
こんなこと、普通突っぱねればいいじゃないですか?
アポ無しで突然担任教師の家にやって来る生徒なんて怪し過ぎますよ。
でも奥さんはそうしませんでした。
性格なのか。
いや、奥さんの感情にも火をつけたのかもしれません。
妻は私だって。
部外者は引っ込んでろって。