「あのね、今からドアのお外に出すから、この中に入れる?」

「僕が?この中に?」

「うん。かくれんぼだからね。」

さすがにちょっと怖いのか、ハヅキくんは俯いて悩んでいました。
だから私はサングラスを外して、笑いかけました。

「ヒーローのアニメにもあるでしょ?スパイの潜入捜査。」

「せんにゅーそうさ?」

「そう。敵にバレないように変装したり隠れたりして、秘密を探すの。ハヅキくんはかくれんぼの鬼、パパに見つかったらゲームオーバーなんだよ。だから、この中に隠れて、お姉ちゃんがヒーローの安全な場所に連れていってあげる。」

ハヅキくんはパッと顔をあげました。
その目はキラキラと輝いて見えました。

「分かった!」

「いい子ね。この中に入ったら声を出しちゃダメよ。バレちゃうから。」

「うん!頑張る!」

ハヅキくんはとってもいい子です。
さすが先生の子どもって感じです。