「それでは新郎新婦、指輪の交換を」
神父が、言った。
「ユイ・・・本当に僕でいいの?」
カイが、言った。
「うん・・・私こそ・・・これでいいの・・・?」
ユイが、うつむき加減に言った。
「いいんだよ。僕はユイが・・・本当に・・・・・・」
カイは、ユイの頭の上にあごを付け、また、言葉をつづけた。
「本当だよ・・・本当だよ・・・・・・」
「ありがとう・・・こちらこそ・・・」
ユイは、言った。
カイは、ユイの左手をそっと持ち上げその薬指に指輪をはめた。
そして、ユイもカイの指に指輪をはめた。
「ユイ・・・・・・」
「カイ・・・・・・」
ややあって・・・。
「この指輪を二人ともはめなさい」
神父が、言った。
「これは・・・?」
カイが、尋ねた。
「来世のための魔法の指輪だよ。いいからはめなさい」
カイは戸惑いながら、もう一度ユイの左手を持った。
「違うよ。今度は右手だよ」
神父は、熱く丁寧に言った。
カイは、ユイの右手の薬指にその指輪をはめた。
そして、ユイもカイの右手の薬指に指輪をはめた。
「では、誓いのキスを・・・」
神父が、言った。
そっと二人は、優しく唇を合わせた。
カイは、涙をぐっとこらえ、ユイは泣いていた。
「このキスが、終わらないように。そして、この愛がトワにつづきますように」
神父が、最後に魔法の言葉のようにそう言った。
「ありがとう・・・ユイ・・・・・・」
「ありがとう・・・カイ・・・・・・」
教会の鐘が、鳴った。