放課後私は濃い化粧を香水を振りまき、着替えて夜の街に紛れる。

 そう私はいわゆる“ヤリマン”ってやつだ。

 私は彼氏と別れてから人生が狂った。寂しさを埋めるために男と会っては体を重ねた。その瞬間自分の価値があるようで承認欲求が満たされていた。
 高校生でそんなことって思うでしょ、案外いるもんなんだよ。


 「私ちゃん、可愛いのにこんなことしてたらもったいないよ笑」


 「ほんと、可愛かったらこんなことしないのにね。」

 私はそっけなく返して服を着て男をおいて部屋を出ていった。

 「またしちゃったよ。」

 ホテルを出て街に出たこの瞬間毎回後悔をする。自分の体を大切にしてあげたい、大事にしたいはずが真逆の方向に進んでいった。好きな人とだけ、そんなのどうでも良くなっていた。そんな私はいつの間にかタバコに手を出していた、きっかけは失恋。
 バイト先の先輩に頼んで買ってきてもらったMEVIUS。

 「それ、アンパンマンの歯磨き粉の味するよ笑」

 「はぁ…笑」

 最初は何がいいのかわかんなかったけど、いつの間にか”タバコを吸っている時間”に対して安心するようになった。ぶきっちょな私はライターをつけるのに苦労したけどいつの間にかなれてた、手が臭くなるのは嫌いだけど。最近は嫌なことがあると公園で寄り道をして吸うようになった。その瞬間が今は一番好き。
 
 私は格好には似合わないタバコを咥えて駅まで歩いていった。