「いってきます。」
 誰もいない、返事が来るはずもない部屋にいつもどうり声をかけ家を出ていった。
 親は小さいときに離婚していて今は父との二人暮らし。父はよく出張でいない、つまり一人暮らしみたいなもん。寂しくはないけどなんだか違和感。
 電車に揺られながら今日も通学をしていた。「あの子、今日はカラコンしてないんだ。」私はぼそっと呟いた。昔見た目に対して悪く言われ、いじめられた私はいつの間にか見た目にとらわれていた。アイプチで二重の癖付け、体重を落とした私は変わったのか高校に入ってからは、ちやほやされることが増えた。
 可愛い、美人、スタイルいい。そんな言葉は私を更に追い詰めた。かわいくいなきゃいけない、痩せてなきゃいけない。そんな考えが頭から離れることはなかった。

 「次はゆめみ野原〜ゆめみ野原〜…」

 「もう着いたんだ。」

 私は人がすし詰め状態の電車から降りて学校に向かった。
 私は学校が憂鬱だった。最近仲良くしてた子たちから省かれ、ただの男たらし、気持ち悪い、あんなブサイクどこがいいのと笑われていた。高校生にもなってくだらない、そんな気持ちとどこか寂しい気持ちがあった。
 「次移動教室一緒に行こっか!」移動教室は最近恋羽(こはね)ちゃんと行くようになった。恋羽ちゃんはみんなに愛されていて、愛嬌がすごくて勿論イケメンの彼氏もいる。私とは正反対だ。最近までは彼氏がいたけど価値観の違いで別れてしまった、まぁ元カノと復縁したいだけだったんだろうけど。
 お昼も一人で食べて昼休みは他クラスのこと話していた、いつも弄られて辛かった日々と比べると楽だしメンタルも安定していた。世界が狭くないってことがわかるようになってきた。

 そんな私には仲いい子にも行っていない秘密があった。