「あの、お仕事はなにを……?」
「ああ、こういうものを作っている」
快くタブレットを見せてくれるので、私も興味深々で覗き込む。
そこにはスマホ型のおもちゃが映っていた。ビビッドピンクでラメやリボンがついていて、女の子に人気の可愛いキャラクターが描かれたもの。
こ、このとんでもなく乙女なおもちゃを、人相がいいとは言えないこの彼が作っていると? なにそれ、萌えしかない!
またしても意外な一面を知り、内心悶える私はだらしなく緩んでしまいそうな口元をさりげなく片手で覆った。そして、なんとか自然なリアクションをする。
「そうなんですか! これは女の子に人気でしょうね~。私が小さい頃にもこういうものがあったら、絶対欲しがっていたと思います」
「そうだろう? これは最近発売された商品なんだが、実際に写真を撮ったり、画面をタッチしてアプリを使えたりするんだ」
「へえ~、次世代のおもちゃってすごい」
時代は変わったなとしみじみ思いながら頷いた。仕事の話をする彼は心なしか生き生きしているようにも感じて、なんだか嬉しくなる。