「ん?何が?」
きょとんとする徹平くん。
「何がって……」
口ごもる私。
しばらく歩いて、歩道橋の上に来た。
徹平くんの足が止まる。
「『美鳥』ちゃん、前にコンビニまで来てくれたじゃん?あの時って、オレに用だった?」
ぎくっとした。
あの時。
『美鳥』の正体を明かすために話しかけたけれど。
結局私は、何も言わないことを選んだ。
「あの時、何の用だったの?」
「え……」
私をまっすぐ見つめる徹平くん。
でも。
言葉が続かない私。
「オレ、好きだよ。キミのこと」
徹平くんは、そう言った。
はっきりとした声で。
私を見つめたまま。
「これからも好きでいてもいい?」
突然の告白に。
目の前がチカチカする。
「さっきの……、伊藤さんは?」
「伊藤?ただの友達だよ」
そう言った徹平くんに、こっそりホッとしてしまう。