「私の鍵ではない、です……」



その鍵にはプリンセスのキーホルダーではなく、何かのアニメのキャラクターのキーホルダーが付いていた。

がっかりするようにうなだれる4人。



「ごめんなさい、何か、本当に」

「なんであんたが謝ってんだよ」
と、4人は笑顔を見せてくれた。



(優しい人達なんだな)



関わることなんてきっとないと思っていた。

知らないから、勝手に少しだけ怖がっていた。



でも。

よく知らない私のために。

みんな一生懸命になってくれている。



……嬉しかった。




通りがかった体育の先生が、
「なんだー?何してるんだー?」
と、声をかけてきた。



先生に事情を話すと、
「でももう遅いしなぁ。鍵はまた探すことにして、今日は下校しなさい」
夕焼け空を気にしつつ、私を見た。



「津山は歩いて帰れそうか?家までどれくらいかかる?」