「えっ!?」
驚き過ぎて、全然理解が出来ない。
(そういえば、好きだって言ってくれた時。徹平くんは、『美鳥』の名前を出さなかった)
こう言ったんだ。
『オレ、好きだよ。キミのこと』
あれ?
でも……、『美鳥』って言われた気がする。
必死で記憶の中を探る。
『好きでいてもいいの?「美鳥」ちゃんのこと』
(……そうだ、確かにそう言われた)
今、思えば。
徹平くんは、確認してたの?
「キミのことが好きだけど、それは『美鳥』ちゃんを好きでいていいの?」って。
私に、本当のことを打ち明ける機会をくれてたんだ?
「あ、あの……、本当に何もかも、ごめんなさい」
私は再度、頭を下げる。
「すずめちゃんでも、『美鳥』ちゃんでも、本当はキミならどっちだっていいのかもしれない。だって、両方ともキミ自身だから」
「徹平くん……」