「はい、いらっしゃい」
と気だるげな声で言われたので少し腹が立ったが、助手希望という面もあり、上っ面だけの笑顔を作ることにした。
「助手を希望していた(さち)ですけど……」
「あら!よく来てくれたわね!」
助手希望だとわかった瞬間に態度を変えるなんて反吐が出るな、と思いながらもぐっと堪えて笑顔を保っていた。
「なんで面接も無いのに私を採用したんですか?」
「だって困ってたんですもの……募集をかけても誰も来なかったんですもの……」
そう悲しげに探偵は言った。
「分かりましたからそんな顔しないでください!」
「あら!なら今日から働いてくれるかしら?」